『お雛様と縁結び』

皆さん、こんにちは!

月のダイアリー二回目の更新となります。

新月に合わせて更新するつもりが、すっかり遅くなってしまいました。

さて、今日から三月。

沖縄では春の訪れを知らせる桜が咲き始め、うちの近所では見事なまでに満開となっていました!

暖かな陽射しと共に、桜前線がどんどん北上していくのかと思うとなんだか嬉しくなります。

そして、三月といえばもうすぐ雛祭り。

女の子がいるご家庭では既にお雛様を準備しているのではないでしょうか?

私は小さい頃、家にお雛様がなかったので、飾ってあるお家を羨ましく思っていました。

小学校には、学校行事の為のひな壇が飾ってありましたが、ある時、

『お雛様は3月3日過ぎたらすぐ片付けないと、お嫁に行くのが遅れてしまうんだよ』

と友達から言われ、先生に

『ひな檀早く片付けないと、学校全体の女子がお嫁に行くの遅くなるよ!』

とクラスの女の子達と注意した事があり、今思い返せば笑い話です。

よくよく考えてみれば、「お嫁に行く」という事が、女性の生きる道と定められていた時代、娘が良縁に結ばれますようにと強く願うのは親心というものであり、ひな檀は一種の願掛けのようなものなのかもしれません。

私は昨年、縁結びの神様と言われる出雲大社を参拝したのですが、出雲では『袖触り合うのも多生の縁』と、普段何気ない光景の中ですれ違う人であっても、深いご縁があって出会っていると、人とのご縁をとても大切にする風習が残っており、「良縁」というのは男女の間だけでなく、仕事やあらゆる人間関係などにおいてもいえるのだと、「ご縁」の意味と有り難さを改めて感じさせられました。

また、ご縁の神様という事から出雲大社で結納を行う方も多いらしいのですが、結納の際に納める「友白髪」という品にはご縁を結ぶ象徴として、精麻(麻の繊維)が使われています。

共に白髪になるまで仲良く長寿をまっとうしましょう。という意味を込めて「友白髪」といわれるらしいのですが、何故麻なのか?と言いますと、麻の繊維は植物の中で最も強いもの。

なので、麻のように強いご縁で結ばれますようにという願いを込めて麻を使っているそうです。意味を知るとなんだかロマンチックですよね。

そして、私の中で「ご縁」と言うと思い出すのが、落語の「文七元結(ぶんしちもっとい)」というお話。

実は私、大の落語好きで、「文七元結」は始めて聞いた落語であり、一番お気に入りの人情劇です。

「ご縁」をテーマとした、粋な演目となっていますので、ひな祭りに娘の良縁を願う親御さんは一見の価値ありかと思います!!
また、旧暦の3月3日は沖縄でも浜下り(ハマウイ)といって女性だけで海に行き、海水に足をつけて、無病息災を願う風習があります。

でも、何故3月3日なのでしょうか?

他にも、5月5日・端午の節句、7月7日・七夕、9月9日・菊の節句などとあるように、人は昔からゾロ目に縁起の良さを感じていたのかもしれません。
そして、ご縁も縁起ももとは仏教用語でとても深い意味を持つもの。
私達が普段何気なく行っている仕草や行動が、何かのご縁を引き寄せているのだとしたら、常日頃から意識的に良い言葉と作法で良いご縁を引き寄せたいものですね。

老若男女、皆さんが素敵なご縁に恵まれますように、願いを込めて。